「まてない」現代人

現代人は「待てない」人が多い。

厳密に言うと、「結果を得るまでの過程をまてない、まつことが苦手」な人が多いということ。

例えば、現代はお腹すいたと思ったとき、インスタント麺があれば、3分後には「空腹を満たす」という「結果」を得ることができる。

こういったことが、あらゆる物事・媒体に当てはまる。

TiktokやYouTubeのショート動画が流行るのも、面白い!とか、癒やされる〜などの、「満たされた感情」を、「手っ取り早く」得られるからである。

なので、動画の尺の長さが10分を超えてくると、「う…長いからやめよ」となったりする。さらに言えば、映画やアニメを早送りで観る人もいるはず。

他にも、

・手軽に!
・時短できる!
・パッと楽ちん!
・たった3分早ゆでパスタ!

のように、結果をすぐ得られるモノ、サービスが現代にはたくさんある。

こういった性質のものが溢れ、「早くて・簡単に」結果を享受できる環境に慣れているため、「めんどうなこと」が敬遠されてしまうし、やりたくないし、待てない人が増えているのだ。

で、これの何が問題かといえば、成長に対しても「手軽に!」を求めてしまいがちだという点である。

たとえば楽器ひとつとってみてもそう。ギターやピアノはかなり練習が必要であり、僕自身、ギターを始めたのはいいものの、基礎練習の段階で挫折した経験がある。

つまり、上手に弾けるようになるのでの「過程」を「まてなかった」わけだ。

もちろん、上達するために知識を入れて、正しい型を学んで、正しい努力をすれば「早く上達」はできる可能性は高まる。が、すぐに「弾ける人」にはなれるわけではない。

ただ、世の中には「短期的欲求」を逆手にとり、ビジネス構築をしている人たちも大勢いる。これは、良い悪いの話ではない。例えば下記のような宣伝文句である。

・パソコン1台で1日30分作業するだけ!
・楽に!スマホ1台で!
・1日10分の作業で日給3万!

早く稼ぎたい!早くお金が欲しい!という「まてない」性質をもつ現代人の欲求に突き刺し、講座やデジタル教材を販売するのだ。

当然、教材を買ったとしてもインスタントラーメンみたいに「すぐに・必ず・結果が得られる」わけではない。それを見落とすと、とんでもない大怪我をすることになる。

購入した「だけ」で「みんなが成功したのなら」、国民は既に全員金持ちのはずである。

でも、世の中はそうはなっていない。

それなりの「対価」を得るには、それなりの「過程」が必要なのだ。

必ずめんどくさい工程もあるし、苦しくてやめたくなるときも出てくる。そして、やめる人も普通にいる。別にそれはそれで問題ない。

ただ、「結果だけ」を早く得ようとすると、挫折する確立も高くなるということ。

そういったときに必要なのは、「長期的な視点」と、「過程」を楽しむという意識である。

手間・過程ときくと、めんどくさいものというイメージが湧くかもしれないが、実は結構楽しいものだったりする。

キャンプにいって、テント建てたり、火をつけたり、料理をその場で作ったりするから楽しい。これが、部屋にただプロジェクションマッピングで森の背景を移して、焚き火と鳥のさえずりのBGMを流して、ウーバーイーツで料理を用意したらどうだろうか?そんなのはツマラナイ。

とはいえ、目の前の生活で苦しんでいるときに、のんびり経過を楽しみながらガンバロ〜・・なんて、のんきなことを言っていられなくなるのも事実ではある。

簡単に言ってしまえば、「過程をもっと楽んだら継続もできるし、結果も手に入る」ということにはなるが、それが中々できない人が多い。特に生活に困窮してたりすると、稼げない=死活問題なので、どうしたって視野が狭くなるのも無理はない。

ただ、早く結果を求めてもが無いもの(家事・移動など)と、早く結果を求めると逆に遠回りになるもの(成長)があるので、そこはちゃんと見極めたほうがいいという話である。

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